キシリトールの効果
2017年8月29日
こんにちは、山中です。
前回の『妊娠中の歯科治療』でお口を清潔に保ちましょう。とお話させていただきました。
つわりがつらくて、歯みがきなんてとても。。
ガムは召し上がれますか?
食べれる方に朗報です。
赤ちゃんが生まれる前、もしくは生まれてすぐに、お母さんがキシリトールガムを噛むことが、子どもの虫歯を防ぐ事も証明されています。
キシリトールのように、数多くの長期にわたる研究で、虫歯の予防効果があると認められた甘味料は他にありません。
世界で最初の研究は1975年にすでに発表されており、その後も日本を含めて多くの研究結果が報告されています。
そこで今回はキシリトールのお話です。
キシリトールは白樺などの木からとれる「キシランヘミセルロース」を原料に作られています。
イチゴ、ラズベリー、プラム、カリフラワー、ほうれん草、レタスなどの果物や野菜にも微量ですが含まれています。
つまりキシリトールは、ヒトに安全な食べ物です。
例えばイチゴには乾燥重量100g中に300mgほどのキシリトールが含まれています。
しかし、虫歯予防に効果的な量(1日約5~10g)には満たないので、虫歯予防のためにはガムを活用するのがおススメです。
(日本フィンランドむし歯予防研究会より引用)
◇◇キシリトール含有率50%以上のものを選びましょう◇◇
糖質(炭水化物)中におけるキシリトールの割合が50%を超えていることを確認し、できるだけ高配合のものを選びましょう。
むし歯予防に効果的なキシリトール製品には、甘味料としてキシリトールが50%以上含まれていることが望ましいといわれています。
キシリトールの含有率が明記されていない時は、成分表示を見て、「キシリトールの量」と「炭水化物の量」が近い値のものを選ぶとよいでしょう。
市販されているキシリトールガムの場合、キシリトール配合と書いてあっても、微量しか配合されていない場合もあるので注意が必要です。
◇◇1日5~10gの量を3回以上に分けて食べると虫歯予防に効果的◇◇
虫歯予防でキシリトールが効果的な1日の量は5~10g程度なので、キシリトールガム2粒を1日2、3回噛むと効果的です。
この量を長期間続けていくとプラーク(歯垢)にいる虫歯の悪玉菌が善玉菌に変わっていきます。
◇◇効果的な噛み方◇◇
キシリトールの成分は噛み始めの時に多く出ます。
噛み始めの唾液を、口の中に長く止まらせると、虫歯菌に浸透しやすくなり、虫歯予防の効果が上がります。
キシリトールガムは食後30分以内に噛み始めるようにしましょう。
ガムを噛むことによって多くの唾液が出ます。
唾液は虫歯菌の出した酸を中和したり、酸で溶かされた歯を修復する力があります。
そのため虫歯がなりにくくなります。
キシリトールガムにはベトベトした歯垢をサラサラにする効果もあります。
歯磨きをする前にキシリトールガムを噛むことによって歯垢が落ちやすくなります。
食後→ガムを噛む→歯磨きが効果的です!
またたくさん取りすぎると個人差はありますが、おなかがゆるくなる方もいます。
キシリトールは食物繊維と同じで、消化・吸収がされにくいため、腸内の水分が増える事によって下痢が起こると言われています。
この現象は一過性のもので体に害はありません。
もしキシリトールガムを噛み始めるのが不安な方は最初は1日1回、少しの量(1日2gほど)からゆっくり始めてみましょう。
キシリトールは、プラークを剥がれやすくし、ブラッシングの効果を上げたり、フッ素と一緒になってより歯を硬くするなど、普段の虫歯予防に加える事で大きな効果を発揮します。
しかし、虫歯を防ぐには正しい歯ブラシと定期的な歯科検診が必要になります。
歯みがきや定期検診などメインテナンスにキシリトールを毎日の習慣にプラスして、虫歯予防を行うと効果的です☆